「感覚は時にあてにならない」感覚認識について

こんにちは。ニコニコ

今日は、ATのレッスンで度々出てくる「感覚は時にあてにならない」と言う感覚認識の事について説明したいと思います。

私達は、五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)頼りにして生きていますが、実はもう一つ大事な6つ目の感覚があります。

それは、いわゆる世間で言われる直感能力(霊が見えるなど)の第六感ではなく、筋感覚と言われています。

筋感覚とは、プロプリオセプション(自己受容感覚)とも言われ、自分自身の身体が空間のどこにあるのか、その位置を把握できる身体能力の事です。

例としては、

あなたは目を閉じたままでも手でフォークを持ち、いちいち口の場所を確認しなくても食べ物を口に運ぶ事ができるのは、筋感覚が働いているからです。

しかしこの私達の筋感覚は、実は無意識のうちに狂いが生じてきます。それは主に身体を間違った使い方を長年続ける事で起こります。(あ、上記の例で、口の場所が狂ってきて鼻にステーキを運んじゃう、と言うような意味ではなく、もっと細かい狂いのお話ですので、その辺り誤解の無いよう!)

例えば、私自身はそこそこきつい側湾症がありますが、普段自分の身体が曲がっているとはほとんど気づきません。私は、正しくまっすぐだ、と思って立っています。ニヤリ

(私の場合は今でこそ、身体のゆがみを感じる事は多くなりましたが、ATを習う前は全く気づきませんでした。)

身体の誤用の結果は、急には現れずゆっくりと進んで行くので、なかなか気づく事が困難です。そして、おかしいな、と気づく時にはずいぶん症状が進んでいたりします。(これはいろんな病気と同じですね。ショボーン)

アレクサンダーテクニーク(以下AT)では、この「狂ってしまった身体の感覚」を取り戻す事を学びます。

ここで、レッスンでよく起こる例を挙げたいと思います。

先日の横浜出張で初めてレッスンを受けて頂いたシンガーのTさん。

女性の方は結構多いのですが、姿勢を良くする為に胸を張っていたので、反り腰気味でした。

腰痛もおありとの事でした。

さて、彼女にハンズオンワークをして少しずつ身体が緩み広がって来たところで、一度座ったままで脊椎を丸めてもらい、ゆっくりと背椎の下の方から上に積み上げて行きました。

そうすると、写真の様にきれいに脊椎が起きました。おねがい

とてもきれいに座れていますね。

しかし彼女は、

「自分では背中が丸い感じがする」と言われたんですね。

これ、ATレッスンではよく起きる事なんですね。(ほとんどの人がレッスン初期でこういう体験をされます。)

彼女はいつも腰が反り過ぎているのが普通なので、反りが無い状態では、腰が丸くなっていると感じるのです。

鏡を見たり、このように写真に撮って見てもらうと、生徒さんは自分の感覚にずれがあることを理解することができます。

このように私たちは、本来あてにできるはずの感覚が長年のうちにずれて来てしまい、あてにならなくなっている場合があるのです。

(でもこの新しい感覚は、すぐに慣れるのが普通ですので、ご心配なく。)

この様にATレッスンでは、ハンズオンの体験をする事によって、信用できなくなった感覚も少しずつ信用のできるものになって行きます。

F.M.アレクサンダー自身は、自分を鏡で見る事によって、感覚のずれを発見しました。これは、彼の中でも大きな発見のうちのひとつだった様で、かなり衝撃の事実だった様です。

そして最後にもう一つ注意しなければならないのは、生徒さんはレッスンで得た感覚ばかりをあてにしがちです。しかし感覚と言うのは、日々変わっていくものでもあるので、これもまた時間が経つとあてにならない場合があります。

ですから、是非皆さんも鏡を使ったり、画像などを使って、ご自分の感覚が正しいものであるか確認してみて下さいね。レッスンを続けていくと、だんだん自分の感覚があてになるものになっていくはずです。

#アレクサンダーテクニーク#側湾症#フルート#五感#身体の感覚#レッスン#自己受容

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